太陽光発電について

住宅の太陽光発電に関して、立て続けに二つの記事を読んだので自分なりの考えを整理したいと思い記事を書きます。

太陽光発電は損といったネガティブイメージはなくなればよいと思います。

目次

太陽光は得なのか、ギャンブルなのか?

まず初めに私としては、資金に余裕があるのであれば設置したほうが良いと考えています。10年くらい前は、「天気に左右される」「壊れる」といったイメージから、ギャンブルだろう。と考えていましたが、いろいろと知識を積むにしたがって考えも大きく変わりました。売電と自家消費うまく使えば10年程度で元は取れます。山陰は日照が少ないので山陽と比べると不利な面もありますが、それでも設置を強く推奨します。

どのくらいの発電があるのか?

実際にどのくらいの発電があるのか、太陽光発電・蓄電池システムシミュレーション(京セラ)を用いて計算します。

条件:島根県大田、システム容量4kW、設置方角南

※4kWの太陽光で設置費用約130万(税込)と想定

シミュレーションの計算結果によると、年間予測発電量は 4,361kWh

R7年度の売電単価は15円/kWhなので、1年間の売電価格は15円/kWh×4,361kWh=65,415円

0.5%ずつ発電効率が低下すると仮定すると10年間での総発電量は42,629kWh

10年間の売電価格は15円/kWh×42,629kWh=639,435円となります。

作った電力は自家消費へ

設置費130万に対して、全然元が取れないじゃないか!と思ってしましますが、実際はすべて売電するわけではなく、発電した電気を自宅で自己消費します。売電価格15円に対して、昼間の電気料金はおよそ平均39円(電化スタイルコースより)と、売るより自宅で消費したほうが圧倒的有利となります。自己消費率を30%と仮定して計算すると、

(42,629kWh×15円/kWh)×0.7+(42,629kWh×39円/kWh)×0.3=447,604円+498,759円=946,363円

R7年度の再エネ賦課金は3.98円/kWhとなっており、年々増加しています。自家消費するということは、その分使用電力が減るので

42,629kWh×0.3×3.98円/kWh=50,899円

10年間合計 946,363円+50,899円=997,262円

10年間で約100万円の売電及び節約が可能となります。(かなり不利側で見込んでいます)

10年間で電気料金、再エネ賦課金が上がるのは間違いないので、設置価格の130万により近づいていきます。

FIT(固定買取制度)終了後について

FIT制度終了も電力会社の買取はあります。かなり金額が下がるので、より自家消費率を上げることが重要になります。蓄電池があれば自家消費率をぐっと引き上げることも可能ですが、計算が難しくなるのでここでは考慮しません。

太陽光の耐久性を25年として(実績として十分に耐久性がありますのが最低25年と仮定)

11年目からは7.15円/kWh(中国電力)としてさらに15年で計算すると

(59,855kWh×7.15円/kWh)×0.7+(59,855kWh×(39+3.98)円/kWh)×0.3=299,574円+771,770円=107,1344円

25年間合計 997,262円+107,1344円=2,068,606円

25年間で約76万円お得になります。何度も言いますが、かなり不利側での計算ですので、実際にはもっと太陽光によるメリットは大きくなるはずです。

ランニングコストに関して

イニシャルコストの話だけしてしまいましたが、もちろん故障もあります。

パワコンは10~15年で取り換え、約20万。基本的にはどのメーカーも保証がついているので25年であればパワコンの取り換え1回で済むのかなと考えています。

もちろん太陽光設置したことによる建物への影響もありますが、設計の段階でクリアできることがほとんどなので特に心配することはありません。太陽光による重量増加も構造計算で見込んでおけば問題ありませんし、雨漏りに関しても工法をきちんと選定すれば問題ありませんが、瓦屋根への施工はおさまりへの疑問がぬぐえないのでお勧めしません。

我が家は雨漏りのリスクを承知の上で3kw弱の太陽光を瓦に乗せています。自家消費は40%くらい。

自分の家で使うエネルギーは自前で

太陽光を載せることで、先が見えず不安定な電気料金への対応となります。

地球温暖化対策としても自分の家で使うエネルギーは自前で作るという視点が大事になると思います。

もちろん、大量のエネルギーを消費しないと住めないような住まいではなく、小さいエネルギーで快適に暮らせる住まいを設計することも重要です。既存住宅も同様ですが屋根に太陽光を載せたことで地震被害が大きくなったり、雨漏りしたりといったリスクは生じるので、しっかりと検討を行うことが大切かなと思います。

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